2000年06月16日
旭硝子、PVC生産委託を呉羽化学に一本化
チッソ五井休止で、国内PVC生産能力はゼロに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭硝子、クレハ、チッソ

 旭硝子は、4月からPVC(塩ビ樹脂)の生産委託を呉羽化学に一本化した。年間委託量は4~5万トンで、信越化学、チッソへの委託を取り止め、今まで通り呉羽化学に原料のVCM(塩ビモノマー)を京葉モノマーから供給し、PVC販売を継続する。
 同社は塩ビ事業の再構築として、4月には鹿島塩ビモノマーからのVCM引き取り枠を信越化学、鐘淵化学に譲渡している。また、チッソが鐘淵化学にPVC販売商権を譲渡したことに伴い五井工場のPVC設備を夏までに休止するが、このうち同社製造分の年産1万トンについても休止することになり、国内生産能力はゼロとなる。
 同社の塩ビ事業は国内はシュリンク、海外はグローとの方針のもと再構築を進めてきており、国内ではVCMは1999年に千葉塩ビモノマー、旭ペンケミカルでの製造を取り止め、生産能力は36万1,000トンから20万トンへ減少している。一方、海外ではインドネシアのアサヒマス・ケミカルにおいて1997年にVCM40万トン、PVC29万トンに増強したほか、パキスタンではエングロ旭ポリマーアンドケミカルズが今年春にPVC10万トン設備を稼動開始させるなど展開を進めている。

<参考>
http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/capa/vcm>塩化ビニルモノマー(VCM)生産能力
http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/capa/pvc>塩化ビニル樹脂(PVC)生産能力