2000年06月15日
旭メディカルと日機装、人工腎臓関連製品で業務提携
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成工業の100%子会社である旭メディカルと日機装は14日、人工腎臓関連製品について、業務提携することで合意した、と発表した。これにともない年内をめどに人工腎臓装置やダイアライザー(人工腎臓)などの相互OEM供給を開始する。
 両社は、人工腎臓装置およびダイアライザーのトップメーカー。人工腎臓関連市場は、医療技術の向上にともなう長命化と世界的な受診率の増加により規模が拡大してきた。国内における慢性透析患者数は1998年12月現在、約19万人おり、このうち約95%がダイアライザーによる人工透析治療を受けており、透析施設の数も3,085施設に及んでいる。またダイアライザーの市場規模は、国内で2,700万本強、世界全体では7,000万本強と推定されている。しかしその反面、透析医療の向上にあわせて患者のQOL(Quality Of Life)向上要請が高まってきており、より高度な装置・ダイアライザー・システムなどの開発・提供が必要とされている。今回の業務提携により、両社は国際競争力を高め、このような市場動向や医療上の要請に応え、またグローバルに対応していくことにしたもの。
 具体的には、(1)日機装は旭メディカルに対し人工腎臓装置を供給、旭メディカルは装置の生産を段階的に中止する、(2)旭メディカルは日機装に対しダイアライザーを供給、日機装はPEPA膜以外のダイアライザーの生産を段階的に中止する、いわゆる相互OEM供給を年内までに開始する。この結果、両社あわせ世界のトップグループを形成することができるようになる。
 なお両社は、関係当局の指導を受けつつ、将来的には人工腎臓関連製品と病院向けサービスの提供を視野に置き、販売を含めた提携関係の強化を検討していく方針。