2000年06月14日
三菱レイヨン、テクノスコープとIEEE1394ホームネットワーク用機器で提携
IEEE1394.b(POF)通信実験用キットを販売開始
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンとテクノスコープは14日、デジタル家電・ホームネットワーク向けIEEE1394.b(長距離規格)対応デバイスについて業務提携し、今後製品開発から販売、サポートまでを共同で行う、と発表した。また業務提携による製品の第一弾として、POF(プラスチック光ファイバー)を使用したIEEE1394の通信をパソコンで実験できるキットの販売を開始する。
 IEEE1394は、次世代マルチメディア時代の標準インターフェースとして、今後パソコンやデジタル家電への搭載が期待されている。標準規格の伝送距離は4.5メートルだが、三菱レイヨンなどが提案したPOFによる距離延長規格により、50メートル以上の伝送が可能となった。この結果、パソコンやデジタル家電だけでなく、ホームネットワークやカーネットワークの標準規格としても有望視され、マルチメディアを実現するための主要インターフェースになると見られている。
 三菱レイヨンは、POFで世界シェアの70%を有するトップメーカーとして、1995年にPOFによるホームネットワークを提唱、IEEE1394.bの物理媒体の国際標準化や普及活動において積極的に業界をリードしてきた。一方テクノスコープは、1995年からIEEE1394開発環境を家電メーカーなどに提供、先駆的なメーカーとして、多くの信頼を得るとともに、技術力を高く評価されてきた。IEEE1394は現在、普及活動の段階から製品化の段階に移行しつつあり、得意とする分野の異なる両社が提携することにより、お互いが事業を飛躍的に拡張することができると判断、今回合意したもの。
 また両社は、業務提携の製品第一弾として、POFを使用したIEEE1394の通信を、パソコンを用いて実験することのできる「IEEE1394.b/POF開発キット」の販売を開始する。同製品は、PCホスト上でIEEE1394.b/POF通信のアプリケーション開発を行うために必要なソフトおよびハードをまとめたもので、同梱するIEEE1394.b/POF対応パソコン用ボードを使用して、パソコン間の長距離通信やパソコン上での対応機器の通信実験、カメラ画像の取り込み・表示など様々なアプリケーションソフトを開発することができる。製品の販売先は、情報家電メーカーの研究室、開発部隊、公的研究機関などを想定しており、三菱レイヨンは「KTS-200 Kit」、テクノスコープは「PFW-41PN SDK」として販売する。製品価格は100万円で、初年度は100台の販売を予定している。
 今後も両社は、お互いにIEEE1394の先駆者として獲得してきた技術・マーケットを利用して、迅速かつ広範な製品化を進め、より多くの市場を獲得していく考え。

<参考>IEEE1394を利用したホームネットワーク
http://c-nt.co.jp/news/homenetwork.gif>