2000年06月14日
PS、ABS樹脂のアジア市況が反転上昇~SM反転、引き合い強まる
HIは900ドル台前半/ABS樹脂は1,100ドル前後に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PS(ポリスチレン)とABS樹脂のアジア市況が反転、上昇してきた。現在GPPS(汎用ポリスチレン)のCIF香港価格はトン当たり850ドル前後、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)は900~930ドル、ABS樹脂も1,100ドル前後となっており、HIは1,000ドル台、ABS樹脂は少なくとも1,150ドル前後まで上昇する見通し。
 PS、ABS樹脂のアジア市況は、4月後半にGPが1,000ドル台、ABS樹脂が1,000~1,100ドルに上昇した後、あまりにSMが高騰したことから中国を中心に買い控えて減産する動きが広がり、5月後半にはGPで800ドル台前半、ABS樹脂は1,000ドル前後に下落した。
 しかし、中国の在庫がほぼ尽きかけていたこと、またSMが600ドル台まで下がり値ごろ感が出てきたことで、引き合いが強まってきたことが大きな要因。またABS樹脂では、台湾品の一部で1,100ドルを下回っているものがあるものの、アジアの市況をリードしている台湾の奇美実業やトーレ・プラスチック・マレーシアのオファー価格は1,100ドルとなっている。最近のPS、ABS樹脂は極端に下がった直後、反転した途端に急速に引き合いが強まるという傾向が続いており上下動が激しいものの、今回もHIは1,000ドル台、ABS樹脂は1,150ドル前後まで上昇する可能性が高い。