2000年06月12日 |
出光石油化学、来月よりダウのドイツ拠点からSPSを受け入れ |
年間2,000トンからスタート |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:出光興産 |
出光石油化学は、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)について、旧東ドイツのBSL(Buna Sow Leuna)コンビナートで、今春稼動を開始したダウ・ケミカルの生産拠点からニートレジンの受け入れを開始する。これにともない現在製品の評価作業を進めており、来月から受け入れを開始、当初は年間2,000トン程度を予定している。 SPSは、メタロセン触媒を応用した結晶性のPSで、低比重、高融点(270度)、耐薬品性、耐加水分解性、高周波特性、メッキ特性、高流動性に優れるなど、多くの特長を持つ。1985年に出光興産が合成に成功した後出光石化に移管され、1988年から事業化に向け、ダウとの共同研究に着手し、1996年10月から千葉工場内で年産5,000トンの実証プラントを稼働させている。これまで生産したニートレジンはダウにも供給、出光石化はザレック、ダウはクエストラの商標で販売してきた。 SPSの設備投資については、両社輪番投資の形で行われることになっており、今春にはダウが旧東ドイツのBSLコンビナート内で年産3万6,000トン設備を完成、稼動を開始しており、これにともない必要分についてダウからの供給を受ける準備を進めているもの。 出光石化は、先ごろ発表したPS(ポリスチレン)とのアロイグレード「E101」シリーズや近く上市を検討しているガラス繊維強化タイプのGシリーズを含め、2003~2004年頃に年間4万トンの販売を目指しており、その頃には出光石化として増設計画を決定する考えだが、この間の不足分をダウからの供給でカバーする考えで、今年はニートレジンで年間2,000トン程度となる見通し。 |