2000年06月12日
新日鐵化学、非特定化学物質型タールエポキシ樹脂塗料を上市
従来の防食性・経済性をもち、環境にも優しい
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:新日鐵化学

 新日鐵化学は、重防食塗料として使用されてきたタールエポキシ樹脂塗料を改良、労安法に係る非特定化学を含まない新製品「アロマエース」を上市した。
 タールエポキシ樹脂塗料は、石灰を乾溜した際に得られる副産物のコールタール分とエポキシ樹脂を合わせた塗料で、防食性に優れ、安価で施行作業性にも優れていることから長期防食材料として船舶や海洋構造物など重防食環境下の構造物に大量に使用されてきた。
 しかし、タールエポキシ樹脂塗料は、コールタールが労安法上の特定化学物質に該当することから、一般の塗料に比べ塗装環境対策、特化則に係る労働者の健康診断が義務付けられるなど、多くの規制があった。
 同社では、保有する豊富なコールタールケミカルズを高度に活用し、コールタールに置き換えて非特定化学物質で構成される「コールタール留分の重合物」と「石灰系ビチューメン」を膨潤した「特殊膨潤炭」の開発に成功、労安法上の特定化学物質を含まない新規タールエポキシ樹脂塗料「アロマエース」を完成したもの。
 「アロマエース」では、従来型タールエポキシ樹脂塗料の経済性や防食性を備えながら、明色塗料の上塗りが可能で、タール臭気や水濡れによる塗膜の黄~赤褐色への変色などの短所を改善した上で、ベンツピレンなどを含有せず特定化学物質にも分類されない『ヒトと環境に優しいタールエポキシ樹脂塗料』として再生したもの。
 同社では昨年末からサンプルワークを行い、6月から本格販売することとなったもので、これまで、安全性、タール臭気などの点から使用できなかった分野への用途拡大を図り、初年度の販売数量1,000トンを目指す。
 なお、製品ラインアップは、JIS K5664 1種(タールエポキシ樹脂塗料)と日本水道規格JWWA K115に適合する標準と速乾の2種類を用意している。

<参考>
http://c-nt.co.jp/news/20000612.jpg>