2000年06月08日
中国のPVC引き合い急回復、在庫整理進む
日本の大型定修もあって一転、需給タイト化も
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 業界筋によると、今週に入って中国からのPVC(塩ビ樹脂)の引き合いが急回復、在庫整理が進んだとの期待感が広がっている。
 中国のPVC需要は、今年2月までは好調に推移していたが、3月に入り一転して荷動きが停滞、4月、5月は引き合いが低迷していた。しかし、今月に入って大手ユーザーを中心に買い付の商談が始まっており、メーカー筋ではようやく在庫整理が進み、通常の荷動きとなると見ている。
 一方、供給サイドでは、先月末から信越化学、鐘淵化学など大手メーカーの定修が実施されており、6月は日本からの輸出量の減少が見込まれていることから、中国の需要動向次第では一転して需給タイト化が進む公算も強まっている。
 PVCの中国向け価格は、4月初めのCIF・香港800ドル強をピークとして軟化し、6月は700ドル水準となっている。日本メーカーでは7月の輸出価格は、原料コストアップによる採算是正も進めていくことになるとしており、少なくとも20~30ドルの引き上げを行うことになるとしている。