2000年06月07日 |
東ソー、フィリピンの塩ビ子会社を9万トン増強 |
年末に9万トン体制/2002年6月に16万トン体制に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー、三菱商事 |
東ソーは7日、同社と三菱商事が出資しているフィリピンの塩ビ樹脂製造販売会社PRII(フィリピン・レジンズ・インダストリィーズ)の生産能力を9万トン増強、年産16万トンに引き上げることを決定した、と発表した。 PRIIは資本金10億ペソ(約27億円)で、現在東ソーと三菱商事が各20%、フィリピン諸島銀行が11%、マブハイ・ビニルが49%出資している。1998年10月に60億円を投じて建設した第1系列が完成、同年12月末から商業運転を開始し、以来フル稼動が続いている。 今回の計画は、まず既存設備を12月までに手直し増強により2万トン増強、9万トンとした後、さらに2002年6月完工をめどに第2系列として7万トン設備を建設するもの。投資額は既存設備のデボトルと第2系列建設をあわせ約40億円を見込んでおり、ただちに資金調達を含む詳細検討に着手する。 フィリピンは、1998年に経済危機が表面化、塩ビの内需は7万トン程度に減少したが、1999年には10万トンと1997年並みの水準に回復している。今後も国内のインフラ整備にともなって塩ビパイプや電線向けなどの需要が拡大すると予想され、年率10%を超える成長が見込まれている。 東ソーの塩ビ事業は、国内では南陽事業所のペースト塩ビ(年産2万8,000トン)をはじめ、最大手の大洋塩ビ(同61万トン)、徳山積水工業(11万トン)を擁し、海外ではPRIIのほかインドネシアのスタンダード・トーヨー・ポリマー(8万6,000トン)、サトモ・インドビル・ポリマー(7万トン)などの合弁会社を有し、アジアで積極的に展開している。l今回PRIIの増強が完了すると、東ソーグループの塩ビ生産能力は年産106万4,000トンに拡大する。 なお東ソーは、昨年7月に原料塩化ビニルモノマー(VCM)の増強を完了、年産105万トン体制を構築しており、アジア地域の合弁会社にも原料を供給している。 |