2000年06月06日
三菱化学、今月からインド、韓国を中心にPTA減産を実施へ
需要見合い供給体制の立場から減産で対応
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は、ポリエステル需要の低迷が続いていることから、今月からPTA(高純度テレフタル酸)の減産に踏み切る。既にインドのMCC PTA インディアで約10%の減産に入ったほか、韓国の三南石化でも同規模の減産実施で最終調整を進めている。インドネシアのバクリー化成については、定修明け間もないことから、当面は高水準の稼動になるとしている。
 PTA需要は、中国向けは依然として堅調な引き合いが続いているが、ポリエステルは4月以降、在庫調整局面に入っており韓国、台湾のポリエステル重合メーカー向けの引き合いが鈍化している。さらに今月以降、一部メーカーで減産強化の動きが出始めている。
 一方、原料であるPX(パラキシレン)については、2Qに50ドルアップで決着に向かっており、現在のPTA価格水準では採算的に厳しいことから、同社では需要見合いの供給体制の立場から、減産に踏み切ることにしたもの。
 PTAは、通常は2Qが需要期であるとされているが、今年は中国を中心に在庫が溜まっており、荷動きが鈍っている。しかし7月からは厚物のポリエステル需要が出始めてくることもあり、在庫調整が進めば一転して引き合い回復が見込めるものと見られている。