2000年06月02日
三菱レイヨン、ABS樹脂事業のBPR推進/製品ポートフォリオ見直し
10月から樹脂受注センターが本格稼動~名古屋は先行して7月に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは、ABS樹脂事業においてBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の推進と製品ポートフォリオの見直しに取り組んでいる。その一環として今年4月に機能樹脂事業部として大竹に樹脂受注センターを開設しているが、ABS樹脂事業が最初のモデルとして、同センターを利用してEDI(電子データ交換)により10月からABS樹脂の受注から出荷までの事業プロセスを見直す。受注センターの本格稼動により6億円強のコスト削減を見込んでいる。
 同社は、ABS樹脂やASA樹脂SAS樹脂などの耐候性樹脂として約700の設計グレードを有しているが、このうち実質的に生産・販売しているのは約450グレード。現在、年間受注件数は8万件以上あるが、このなかの約80%を自動化するもの。国内の主な取引先企業および着色品などの外注先あわせ約40社との間でEDIによる受発注システムを稼動させることにより、現在東名阪の3極で行っている受注業務を大竹の受注センターに集約、人員の効率化とプロセスの革新を図る。一方でグレード数の削減も進めており、450あるグレードを最終的には250程度まで集約する方針で、また受注件数も約4万件まで削減できる見通し。
 樹脂受注センターの本格運用は10月を予定しているが、来月には先行して名古屋の受発注の自動化に取り組む方針。同社では、これらの施策により部門費用を効率化や在庫の圧縮が可能となり、年間6億円強のコスト削減が実現すると見ている。さらに今後は機能樹脂事業部として、ABS樹脂以外の製品にも展開していく考え。