2000年06月01日
樹脂の対中輸出、4月は軒並み大幅な前年割れ
LDPEは56%、HDPEは54%に縮小
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンなど汎用樹脂の対中国向け(香港向けを含む)の4月の輸出通関数量は、軒並み前年同月を割り込んだ。中でもポリエチレンの落ち込みが大きく、LDPEは前年同月の56%に、HDPEは同54.1%にそれぞれ縮小している。またPPのホモポリマーとコポリマーの合計は同79.6%、PVCのホモポリマーは同70%となっている。PSは比較的縮小幅が小さく同93.1%にとどまっている。
 かねてから、これら汎用樹脂の最大の仕向け国は中国となっている。今年1~3月の累計でも同様で、各樹脂の総輸出量に占める中国向けの比率は、LDPEが61%、HDPEが47%、PP計が46%、PSが60%、PVCホモポリマーが78%となっている。4月はその中国向けが揃って不調であったため、同月の各樹脂の総輸出量も全て大幅なマイナス成長となっている。
 4月の対中輸出の不振は、先安感の広がりによって同国の需要家が一斉に買い控えの措置を取ったためと見られる。また、わが国の樹脂メーカーの多くが採算割れを嫌って安値契約の多くを見送る行動に出たことも要因の一つになったと言えそうだ。
 各樹脂の4月と1~4月計の対中輸出通関数量(単位はトン)は次の通り。かっこ内は前年比。
 [2000年4月]
 ▽LDPE=9,560(56.0%)▽HDPE=8,089(54.1%)▽PPホモポリマー=1万1,860(73.0%)▽PPコポリマー=3,508(115.1%)▽PP計=1万5,368(79.6%)▽PS=1万2,879(93.1%)▽PVCホモポリマー=3万8,134(70.0%)。
 [1~4月計]
 ▽LDPE=5万3,517(87.3%)▽HDPE=3万6,258(75.8%)▽PPホモポリマー=5万388(96.7%)▽PPコポリマー=1万5,131(100.4%)▽PP計=6万5,519(97.6%)▽PS=6万315(134.5%)▽PVCホモポリマー=17万3,310(76.5%)。