2002年02月20日 |
燐化学工業、赤リン系難燃剤の設備を2倍の規模に増強 |
年産700トンに拡大、新タイプの製品も本格販売へ |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:東ソー |
東ソーは20日、同社の出資会社の一つであり、アジア最大の赤リン系難燃剤メーカーでもある燐化学工業(本社・富山県新湊市、中嶋武俊社長)が今年5月の完工を目標に赤リン系難燃剤の生産能力を倍増すると発表した。現在の年産350トン設備を同700トンに拡大する。所要資金は約10億円となる見込み。またこれに伴い、世界初の超微細球状赤リン系難燃剤「ノーバエクセルF5」の量産も可能となる。このため燐化学では、これを機に同製品の本格販売にも乗り出す。 同社が手がけている赤リン系難燃剤は、少量の添加で優れた難燃効果を発揮するため電機・電子産業分野で使用される樹脂向けに需要が急速に拡大している。同社によると、今後も年率30%近い伸びが見込まれ、数年後の国内需要量は1000トン程度になる見通しという。 今回の同社の倍増設は、同社が特許を持つ特殊な製造法による球体様の赤リンに表面被覆処理を施すことで一般に使用される破砕型赤リンを上回る化学的性質の長期安定性と取り扱いの安全性を発揮するようにした点が電機・電子関連業界で評価され、その結果活発な引き合いと需要の拡大に機敏に対応していけなくなってきたことから実施することにしたもの。 一方、この倍増設を機に本格的に市場に投入していくことにした「ノーバエクセルF5」は、超微細で粒度分布が狭いため樹脂中での分散性が良好な点を大きな特徴とするもの。このため同社では、薄膜化が進む市場ニーズに適合して電子材料分野を中心に着実な成長を遂げると期待している。 |