2000年05月31日
日本ゼオン、2000年3月期連結業績は増収減益
原料価格上昇と為替要因響く
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:DSM、日本ゼオン

 日本ゼオンの2000年3月期連結業績は、売上高が1,732億6,200万円と前期に比べ1.6%増加したものの、営業利益は26.8%減の93億4,600万円、経常利益は24.7%減の56億7,300万円となり、当期純利益は19億3,400万円と54.3%減少した。販売数量増やタイの石油樹脂子会社の本格稼動などがあったものの、原料価格の上昇および為替要因が大きく影響を及ぼす結果となった。
 営業利益の減少分34億円の内訳は、単体業績の影響がマイナス40億円、米国子会社関連およびユーロに対するドル高の影響がマイナス5億円、昨年本格稼動したタイの石油樹脂子会社ゼオン・ケミカルズ・タイランドでプラス2億円、国内子会社の増益がプラス6億円となっている。
 ただし、新規事業に位置付けられている情報・環境・健康事業のうち、情報材料および医療器材事業は通期で黒字、環境事業も下期から黒字となっており、事業展開が着実に進んでいる。
 また単体の2000年3月期業績は、売上高が1.7%増の1,241億6,400万円、営業利益が47%減の44億9,400万円、経常利益は20.3%減少したもの、当期純利益は15億2,100万円と167%増加した。売上高の増加分21億円のうち、数量増がプラス79億円となった反面、価格は今年に入って値上げが浸透するなど送れたことからマイナス16億円、為替要因がマイナス42億円となっている。部門別では特にラテックスで手袋用ラテックスが低調で販売数量が大幅に減少した。
 これに対し2001年3月期の連結業績については、売上高1,975億円、営業利益99億円、経常利益74億円、当期純利益で29億円を予想している。2000年3月期に比べ売上高は約240億円の増収を見込んでいるが、これは子会社の東京材料とゼオン商事が7月にも合併、完全連結子会社となることによるところが大きい。また営業利益の内訳は、ゴム事業51億円、ラテックス事業12億円、化成品事業5億円、情報・環境・健康事業24億5,000万円、その他6億5,000万円で、ゴム事業は米グッドイヤーおよび蘭DSMの事業買収効果や国内におけるS-SBR拡販、ラテックスは前期不振だった手袋用ラテックスの回復を見込んでいるほか、また情報・環境・健康事業は、半導体産業の好調を背景とした情報材料の利益拡大、環境事業では合併浄化槽化の進展に伴うRIM事業の成長を期待している。