2002年02月20日
DIC、ナノテクで「シリカ/ナイロン超微粒子」材料開発、ソニーが採用
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ソニー、大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業は、独自のナノテクノロジーによって、シリカの超微粒子をナイロンにコンポジット化した無機/有機ハイブリット材料「セリル」を開発した。
 
 これまでナイロンに無機微粒子を50%以上含有させることは困難とされてきたが、界面重合反応を利用した独自のナノコンポジット化プロセスにより、シリカのナノ粒子を均一に60%以上の含有率でナイロンに微分散させることに成功した。
 
 国内では13件の特許を出願、米国では基本特許を取得している。
 
「セリル」は、パルプに似た白色度の高い微繊維状をしており、構造材や絶縁用ペーパーに使用されるアラミドパルプと同様の特性をもっている。また寸法安定性、耐熱性にすぐれ、アラミドでは克服できなかった吸湿や加熱による寸法変化、物性変化が抑えることができる。
 
 同社では、無機でも有機でもないといった、このようなユニークな特性をもっているため、新たな可能性をもった材料として今後の展開に期待している。
 
 一部では、音響材料としてすでに実用化が始まっている。一般に20KHz以上の可聴域外(聴音波域)には「癒し効果」があるとされているが、ソニーでは「セリル」を振動板に使うと効果が高いと、スピーカーに採用して世界各国で販売している。