2000年05月23日 |
ポリプラスチックスと帝人、PBT/GF-PET事業で提携 |
6月に合弁会社設立/帝人・松山に連続重合のPBT5万トン設備建設 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:ウィンテックポリマー、帝人、ポリプラスチックス、公正取引委員会 |
ポリプラスチックスと帝人は23日、両社のPBT(ポリブチレンテレフタレート)事業およびGF-PET(ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート)事業で提携、共同出資により6月に新会社「ウィンテックポリマー株式会社」(WinTech Polymer Ltd.)を設立する、と発表した。同日付で共同出資会社設立基本契約に調印したもので、あわせて2002年初頭の完成をめどに帝人松山事業所にアジア最大規模となる年産5万トンのPBT連続重合設備を建設する。 新会社は、今後公正取引委員会の事前相談および承認を経て、6月にも設立する。資本金は20億円で、ポリプラスチックスが60%、帝人が40%出資する。社長にはポリプラスチックス専務の岡田俊彦氏、副社長には帝人の常務執行役員の相田憲一郎氏が就任する(ともに兼任)。営業開始は、20001年1月を予定している。 新会社は、45億円を投じ2002年初頭の完成をめどに、帝人松山事業所に年産5万トンの連続重合設備を建設する。原料DMTは帝人松山事業所からパイプで受給、低コストの生産を目指す。またコンパウンドについては、帝人が岩国事業所に有している年産1万3,000トン設備を新会社に移管するとともに、ポリプラスチックスの富士工場およびマレーシア現地法人に生産委託する。また帝人は、GF-PETコンパウンドの生産販売も新会社に移管する。なお帝人が有している年産1万4,000トンの既存設備については、新設備の稼動販売状況を見ながら、全て廃棄する。一方ポリプラスチックスの既存2万2,000トン設備は特殊品の生産に特化する方針。生産規模では、アジア最大、世界2位のPBTメーカーとなる。 現在PBT事業の売上高は、ポリプラスチックス約110億円、帝人が約60億円で、これにGF-PET事業の売上約15億円をあわせ185億円規模だが、新設備の完成する2002年には220億円の売上を目指す。なお当面両社の商標を継承し、今後ブランドの統一を検討していく考え。 PBTは、5大汎用エンプラの1つで、高温使用時の熱安定性に優れるとともに、優れた電気特性、成形安定性、寸法精度を有し、電気電子機器部品や自動車電装部品をはじめ精密部品分野で用いられている。国内需要は、約8万トン、日本を除くアジア地域で9万トン程度と見られ、世界全体では推定約40万トンに達しており、今後も10%近い成長が期待されている。 しかし、PBTは国内では両社をはじめ9社、世界全体では30社以上のメーカーが存在し、最近は欧米の大手メーカー積極攻勢に加え、アジア域内の企業による新規参入もあり、競争が激化しているのが現状。こうしたことから両社は、単独でのコスト削減は限界と判断、2年前から事業提携について話し合いを進めていたもの。 ポリプラスチックスの神村安正社長、帝人の安居祥策社長のコメント、および新会社の概要は次の通り。 [神村社長]当社は、親会社のティコナグループと3極体制をとっており、アジア太平洋地域担当として、独自に事業を強化するという方針に基づいた結果が今回の事業提携である。今回の提携により、販売・研究面の合理化を含めたシナジー効果を期待したい。 [安居社長]ポリプラスチックスとは2年前から話し合いを進めてきた。現在PBTは厳しい状況にあり、いかに競争力を強化していくかが大きな課題となっていた。こうした意味でバッチ式設備で生産するのではなく、今後はコスト競争力のある連続設備で作る必要があると判断した。 新会社の概要 社名:ウィンテックポリマー株式会社(WinTech Polymer Ltd.) 設立:2000年6月(予定) 所在地:東京都千代田区霞ヶ関3-2-5霞ヶ関ビル6F(ポリプラスチックス東京本社内) 資本金:20億円(当初払込資本金15億円) 出資比率:ポリプラスチックス60%、帝人40% 代表者:取締役社長 岡田俊彦(ポリプラスチックス専務取締役) 取締役副社長 相田憲一郎(帝人常務執行役員) 事業内容:PBTおよびGF-PETの生産・販売 営業開始:2001年1月(予定) 売上目標:220億円(2002年度) |