2000年05月23日
三井化学、アクリルアマイド値上げ今月中にも打ち出しへ
原料上昇で採算是正、キロ10円幅で最終調整
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学、三菱レイヨン

 三井化学は、アクリルアマイドの国内第二次値上げを今月中にも打ち出す方向で最終調整を進めている。原料の価格動向、ユーザーの状況を見ながらキロ10円幅をめどに意思決定を行う方針。
 アクリルアマイドの値上げは昨年8月に原料上昇の採算是正を目的としてキロ10円で打ち出され、年末までに満額で浸透している。しかし、前回の値上げ打ち出し時点と比べて、ナフサ・原油など一段と上昇しているが、ここへきて再び上昇基調となっていることから再値上げに踏み切るざるを得ないとするもの。
 アクリルアマイドの国内需要は、主要分野である紙力増強剤向けが紙需要の立ち直りから回復基調にあり、高分子凝集剤向けも堅調に推移している。アジアでも中国で原油高から油田回収補助用途向けに需要拡大が強まっており、好調に推移している。
 アクリルアマイドの国内値上げは既に三菱レイヨンが5月1日出荷分から10円で打ち出しており、同社の値上げ打ち出しにより交渉の本格化が予想されている。
 なお、同社は5月後半から今月いっぱいまでAN(アクリロニトリル)、アクリルアマイドの定修を実施しており、ANでは玉不足から安定供給に追われる状況となっている。