2002年02月19日
PSの減産進む、1月の生産は前年同月を26%下回る
月末在庫は11%減の低水準に
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は19日、ポリスチレン(PS)ならびにスチレンモノマー(SM)の1月の生産と出荷の実績を明らかにした。
 この中では、(1)PSの生産量が前年同月を26%下回る低水準に抑えられたこと(2)同じくPSの出荷量が輸出の大幅増もあって前年のほぼ横並びとなり、連続マイナス成長に歯止めがかかる気配が見えてきたこと(3)こうした結果、同樹脂の月末在庫が前年同月末の11%減に縮小したこと(4)SMも生産の適正化によって在庫が前年の21%減に改善されたこと--などの点が注目される。
 
 同工業会のまとめによると、1月のPSの生産は7万3,164トンで前年同月比74%、出荷は8万570トンで同99%、月末在庫は11万5,402トンで同89%ーーとなった。
 出荷のうち、国内向けは6万6,286トンで同95%、輸出は1万4,284トンで同127%となっている。国内向けのうちの電機工業用は1万3,552トンで同76%と引き続き不調であり、包装用も2万4,551トンで同96%と前年を下回った。しかし、雑貨産業用は1万3,949トンで同110%、またFS用は1万4,234トンで同101%といずれも前年を上回った。特に雑貨産業用の伸びの高さが目を引く。一方の輸出が大幅増となったのは、中国を中心としたアジア地域全体の需要が伸びたことと、それに伴い同地域の市況の改善が進んだことによるところが大きいと見られる。
 
 他方、SMの実績は、生産が27万110トンで同96%、出荷が26万7,350トンで同98%、月末在庫が9万790トンで同79%--となっている。出荷のうち国内向けは15万7,946トンで同83%と不調であったが、輸出は10万9,404トンで同131%と大きく伸びた。輸出の増加の多くは中国の需要増と市況の改善によるものと見られる。

 SMの1月の国内向け出荷の内訳は次の通り。かっこ内は前年同月比。
 ▽GP・HI=74,996トン( 80%)
 ▽FS   =14,315トン(100%)
 ▽AS   = 5,536トン( 90%)
 ▽合成ゴム =13,557トン( 79%)
 ▽不飽和ポリ= 5,192トン( 71%)
 ▽ABS  =23,519トン( 93%)
 ▽その他  =20,831トン( 83%)