2000年05月17日 |
丸紅のenplanet.com、商社ネットワークのフル活用で独自に展開 |
今後加工製品取引サイト開設/グローバルな事業体制を構築 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:BASF、旭化成、デュポン、電気化学工業、東ソー、バイエル、丸紅 |
丸紅の化学品部門が4月5日に立ち上げた、国内初のエンジニアリングプラスチック専門の電子商取引サイトhttp://www.enplanet.com/ target=_blank>「enplanet.com」は、商社のネットワークをフルに活用した独自のスタイルで事業を展開している。今後も、参加メーカー数やユーザー数を拡大しつつ、データベース化したユーザー情報などを武器に加工製品の取引、さらにグローバルな展開を目指す考えだ。 enplanet.comには現在、旭化成工業や出光石油化学、東ソー、電気化学工業など国内企業10社が参加、エンジニアリングプラスチックやエラストマーなど16種類の製品を扱っており、日本のメーカーの製品を多くの海外のユーザーに販売していく方針で事業を進めており、サイト立ち上げ以来、約1ヶ月で1万6,000件のアクセスがあるという。 すでに欧米には、chemconnectやchematchをはじめ、化学品の電子商取引サイトが多数存在するが、enplanet.comがこれらのサービスと違い、(1)商社のネットワークをフルに活用できる、(2)取引のマッチングだけでなく引き合い入手段階まで行う、(3)機能性樹脂専門であることなどが特徴となっている。特に(2)については、海外のユーザーが購入する場合、丸紅の持つ海外支店がユーザーと商談、あるいは成約の確認、さらに物流管理を行うなど、従来から行ってきたアナログ的な手法も用いることにより、シナジー効果が期待できる。 enplanet.comのサイトは、広範な製品を扱うあまり目的の製品が探しにくい欧米のサイトに比べ、メーカー別、製品別に加え用途別で容易に検索することができる。例えばコンパクトディスク(CD)用途で検索すると、一般的に用いられているPC(ポリカーボネート)だけでなく、アクリル樹脂なども候補に出てくるなど、ユーザーは求める用途に対し幅広い選択肢が与えられる。同社は、この用途別の検索という部分では、ビジネスモデル特許も取得できると見ている。 また取引を行ったユーザーはデータベース化されるため、これを用いて市場動向やニーズを分析し、参加するメーカーやユーザーにフィードバックすることで、独自の新規市場・用途を提案することも可能だとしている。このほかメーカーの在庫品や処分品を迅速に販売することもできる。 同社では、フェーズ2として、機能性樹脂を購入したユーザーの加工製品を販売するサイトを立ち上げ、川下へ展開していくことを検討しているほか、サイトの多言語化を含めグローバルな体制の構築を進めていく考えだ。なおエンプラの電子商取引市場では、4月にBASF、バイエル、ダウ・ケミカル、デュポン、ティコナ/セラニーズのエンプラ大手5社が、欧米とアジアに電子商取引市場を開設するという発表をしており、丸紅としては少なくともアジア地域では2大勢力となることを目指す方針。 <画面写真>enplanet.comのホームページ http://c-nt.co.jp/news/enplanet.jpg> |