2000年05月17日
旭化成、エラストマ-と合成ゴムで新グレードを開発・販売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成工業は16日、新規エラストマー「タフテック-P」シリーズ及び新規合成ゴム「E」シリーズを開発、販売を開始する、と発表した。同社は、合成ゴム・エラストマー事業を競争優位事業に位置付け、特殊品を中心に強化・拡大を進めており、今回の新グレードを含め今後も製品ラインアップの充実化を図る考え。
 販売を開始する2製品のうち機能性熱可塑性エラストマーの「タフテック-P」シリーズは、同社の独自技術により開発された従来にないSBBS(スチレン・ブタジエン・ブタジエン・スチレン)構造を有している。SBSエラストマーにおいて構造の最も弱い部分を選択的に水素添加することで耐熱性を向上させるとともに、独自の化学構造により従来の水添型エラストマー(SEBS、Eはエチレン)に比べ加工性や低温特性に優れ、バランスの取れた物性を示すのが特長。オレフィン系やスチレン系樹脂との相溶性も良好で、これらの樹脂改質剤やポリマーアロイ相溶化剤・改質剤として、自動車部品などの高性能PP(ポリプロピレン)や、塩ビ代替の候補となっているポリオレフィンフィルムなど、性能を活かすことのできる広範な用途に販売を開始する。
 また合成ゴムの新グレードである「E」シリーズは、省燃費型タイヤとして注目されているシリカ配合タイヤ向けの製品で、連続重合タイプの溶液重合法SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)の「タフデン-E」、バッチ重合タイプの「アサプレン-E」を開発、販売を開始した。「タフデン-E」と「アサプレン-E」は、同社の独自技術によりポリマー末端を変性することで、制動性能と省燃費性能を高次元でバランスさせることができる。シリカ配合タイヤは、すでに欧州では主流となりつつあり、今後は日本でも普及が進むと予想されている。すでに両製品とも、一部のユーザーから高い評価を得ていることから、同社は今後市場において積極的な販売活動を進めていく考え。