2000年05月12日
ポリオレフィンメーカーが相次ぎ減産へ
海外相場の下落に対処、安値輸出を見送り
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:日本ポリオレフィン、日本ポリケム

 日本ポリケム、日本ポリオレフィンなどポリオレフィンメーカーの間に同樹脂の減産の動きが広まってきた。設備能力の80%なり85%なりに操業を抑えるところが多い。
 これは、中国を始めとしたアジア地域全体におけるポリオレフィンの相場の下降に対処してのもの。同地域の相場は3月をピークに急速に下落しており、5月に入ってからのオッファー価格は3月に比べてトン当たり70ドルから100ドル安いレベルまで下がっている。このため多くのポリオレフィンメーカーが、各地のユーザーやトレーダーの要求通りの価格で船積みすると完全な赤字輸出になるとして当面の生産計画を縮小し、安値成約を見送る行動に出ているもの。
 アジア地域全体の製品市況が下げ止まるまで減産を続けるというところが多数を占めている。もっとも大手商社の中には、韓国のエチレンセンター会社3社が最近になって定修に踏み切ったことや、最大の消費国である中国の市中在庫が着実に縮小していると見られることなどから遠からず下降傾向に終止符が打たれるとの見方を取っている。