2000年05月09日
三菱化学、アセトン生産を鹿島に集約/内需中心の事業体制を確立
6月末に水島のワッカー法設備を停止
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は9日、アセトンについて6月末に水島事業所のワッカー法年産3万8,000トン設備を停止し、鹿島事業所のキュメン法11万トン設備に生産を集約する、と発表した。
 同社は、国内需要に見合ったエチレン生産体制の確立を目指し、今年末に四日市事業所のエチレン設備の停止を決定するなど、石油化学事業の再構築に取り組んでいる。今回の措置はその一環であり、アセトン事業について自消を含む国内需要中心の事業体制を確立すべく、生産を鹿島に集約、内需に見合うフル生産体制とすることで、水際競争力の確保と事業基盤の一層の強化を図ることにしたもの。鹿島への集約後は、従来の輸出分を国内販売に充当することで、国内ユーザーへの安定供給を継続するとしている。
 また、水島事業所におけるアセトンの誘導品であるMIBK、ACHについては鹿島事業所から原料を手当てして生産を継続する。
 アセトン事業を取り巻く環境は、最近のナフサ価格の高騰および円高の影響を受け、厳しい状態が続いている。さらにキュメン法フェノール設備の新増設が相次いでいることから、併産されるアセトンの構造的な余剰は今後避けられないと見られている。このため同社では、今回の水島のアセトン設備の停止は、これらの動向を先取りしたものであるとしている。

http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/capa/acetone>アセトン国内生産能力
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