2000年05月09日
三菱ガス化学、ポリアミドイミド複合材料の拡販体制を強化
当面年間500トンの販売を目標
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三菱ガス化学

 三菱ガス化学は9日、同社の新規スーパーエンプラであるポリアミドイミド複合材料(商品名:エーアイポリマー)について、今月から拡販体制を強化する、と発表した。
 エーアイポリマーは、優れた耐熱性、成形性、機械的強度を有したバランスの良い樹脂で、従来のスーパーエンプラの常識を覆す使いやすさを備えている。市場開拓を進めてきた結果、SMTコネクターやICソケット、ベアリングリテーナー、車載用エンジン直付け部品など、電気電子、機械、自動車分野においてニーズが大きいことがわかってきている。これまでも電気製品や自動車部品は樹脂化が進んでいるが、従来のスーパーエンプラでは耐熱性はあっても成形性に劣る、あるいは成形性は良好なものの耐熱性が不足するなど、厳しい条件下では樹脂化できない面があった。
 これに対しエーアイポリマーは、標準グレード(MS-3)で(1)耐熱性:熱変形温度275度、(2)長期耐熱性:MGC法20000Hrs 270度、(3)耐クリープ性:150度40MPa 10000Hrs後の変形率0.25%、(4)剛性:曲げ弾性率14GPaと、熱可塑性樹脂ながら負荷のかかった高温環境下での使用に耐えることができる。特にコネクタなどで競合するLCP(液晶ポリマー)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)、6Tナイロン、46ナイロンなどに対し、耐熱性と耐クリープ性に優れているのが特長。
 同社は、ISO14001を取得している事業所などでは、リサイクルし難い熱硬化性樹脂は使用が困難であると見ており、リサイクル性の良い熱可塑性樹脂であるエーアイポリマーにとっては市場拡販の好機であると考えている。このため4,000トン以上の市場規模に対し、当面500トンの販売を目標としており、全分野において拡販を進めていく方針。なお現在エーアイポリマーは、パイロットプラントで生産しており、標準グレードの価格はキログラム当たり2,500円となっている。