2000年04月27日
グランドポリマー「中期経営計画」策定
戦略重点に20万トン新プラント新設計画も
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産、三井化学

 PP(ポリプロ)専業メーカーのグランドポリマーはこのほど、国際競争力の強化と、経営体質の改善、効率化を柱とした、2000~2002年度の中期経営計画を策定し実施に入った。同社は昨年1月、親会社三井化学と宇部興産の両社からPP製造設備や研究所などを移管、製・販・研を統合一体化した。こうした事情を背景に新たな経営計画を練ってきた。
 
 まず、経営目標として、3年後のROA(総資産利益率)7%を掲げ、この目標を達成するために全力で取り組む。さらにこのための基本戦略として、以下の4項目を設定。

1)国際競争力を確保し、国内ではトップメーカーとしての地位を保つ。スクラップ&ビルドによるプラントの更新と系列当たり規模の拡大を図る。

2)千葉に新たな開発拠点として「開発研究所」を完成したので、これを効率的に活用し、新製品、新技術の開発に努める。新しい用途分野の開拓にも力を入れる。

3)グローバル戦略として、海外での事業展開を強化する。コンパウンド事業は欧米など各地で展開中だが、アジア地域に原料樹脂の生産拠点を確保するよう計画を具体化する。オレフィン確保の方策については三井化学と共同で検討する。

4)経営基盤を整備し、徹底した効率化を図る。これまで旧3社(三井石化、三井東圧、宇部興産)間ばらばらだったシステムを統合したので、収益管理、在庫管理など、統合効果を最大限発揮する。

 同社は千葉、大阪、堺の3工場に8系列のPPプラントのほか、浮島ポリプロ、宇部ポリプロ両社からも引き取っており、合計年産能力は70万3,000トンに達している。スクラップ&ビルド計画については非効率設備の廃棄を前提に1系列20万トン規模のプラント新設を計画しているが、今秋中にはプロセスやサイトなど具体案が決るとみられる。
 
[吉浦春樹社長の話]PPの国内需要は99年ようやく250万トン台と97年のピーク時に戻ったが、レジンの輸入量を見ると97年の6万トンから99年は22万トンとこの間にずい分増えている。わが国の関税がゼロに向かうこれから先、輸入量はさらに増加するだろう。厳しさを増す内外環境の中で一層の経営努力をしていかないといけない。