2000年04月24日
ダイセル化学、「生分解性プラ」長野県と北海道の経済連に納入決る
2003年、生産規模年産5,000トンに拡大へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ダイセル化学

 ダイセル化学工業は自社開発した「生分解性プラスチック」(商品名『セルグリーン』)の用途、市場開拓に注力してきたが、このほど、農業用マルチフィルムで長野経済連、ホクレンの両農業団体に採用、納入が決った。長野経済連では独自に『ナビオ』の商標を使い、レタスなど高原野菜用に、一方ホクレンでは『ニューマルチ』の商標でカボチャ、ピーターコーンなどの栽培用資材として、傘下の農家に普及を図る方針という。
 同社はポリカプロラクトン系とセルロースアセテート系の2つの製法をもち、それぞれパイロットプラントで試作中だが、今回マルチフィルムとして販売が決ったのは大竹工場で生産しているポリカプロラクトン系の樹脂。農地(うね)に敷いた場合、地温効果や雑草防止、成長促進などの効果が高いことがこれまでの実証テストで確認されている。
 納入するフィルムは1本当たりのサイズが幅1,350ミリ、長さ200メートル、厚さ20ミクロン。展張後約3ヵ月で自然分解するように調整したものを納入する。当面数千本の需要が見込まれている。同社はほかにもいくつかの農業関係団体から引き合いや照会を受けており、今後需要はさらに拡大していくとみて、2003年をめどに、生産規模を現在の年産1,000トンから5,000トンに拡大する計画をすすめている。