2000年04月24日 |
BASF、日本へのPS・ABS樹脂の販売を活発化 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:BASF |
スチレン業界筋によると、独BASFが日本へのPS(ポリスチレン)およびABS樹脂の販売を積極的に進めているもようだ。主に韓国からの輸入品で、今後どれだけ日本市場に食い込むか注目される. 1999年における日本への輸入量は、PSが前年比12.7%増の1万4,784トン、ABS樹脂が6.5%増の1万5,524トン。これに対しPSの内需は101万9,939トン、ABS樹脂が40万1,046トンで、輸入が占める割合はそれぞれ、1.5%、3.9%にとどまっている。これまで日本の市場は、商慣行が独特であること、物流コストが高いことなどから、海外の企業が積極的に販売し難い状況にある。 しかし、今年2月の輸入はPSが前年同月比339.5%増の1,169トン、ABS樹脂は5.2%増の1,145トンと、特にPSが大きく増えている。業界内では、「いくつかのユーザーから最近BASFが来たと聞いている」、「大手家電メーカー向けで成約した」などのうわさが飛び交っている。BASFは韓国・蔚山でPS年産23万トン(EPS含む)、ABS樹脂同20万トンの設備を有しており、コスト競争力を武器に同国から日本へ供給しているものと見られる。 日本へスチレン系の樹脂を輸入販売している企業としては台湾の奇美実業が有名だが、同社は基本的に家電・OA機器メーカーなどから品質の保証を獲得することを目的としており、PS、ABS樹脂をあわせても年間数万トンで、最近は減少傾向にある。 現時点ではBASFの戦略ははっきりとしていないが、「ある程度輸入がある方が市場としては健全」「今後も日本への輸入が1万数千トン程度で推移するかどうかわからない」などの意見もあり、今後BASFの展開と国内メーカー各社の対応が注目される。 |