2000年04月24日
塩ビ値上げ、連休を控え一段と交渉が本格化
メーカー側の強い値上げ意向広がる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PVC(塩化ビニル樹脂)の国内値上げは、主要需要家である大手パイプメーカーを中心に交渉が進められているが、価格転嫁が思わしくないことから強い抵抗が続いているものの、原料高を背景に採算悪化が続く各社では、連休前の早期決着を目指して一段と交渉が本格化している。
 PVCの国内価格値上げは、第1次値上げとして昨年末までにキロ20円の値上げが浸透しているが、その後も原油、ナフサ、EDC(二塩化エチレン)など原料価格が高騰、採算の悪化が深刻化していることから3月にはキロ20円での第二次値上げが打ち出されている。
 メーカー側では、昨年度上期はEDC輸入価格が300ドル強、ナフサが2Q1万4,800円であったが業界全体で86億円の経常赤字を計上しているが、現在の原料価格は、EDCが450ドル前後、ナフサが2万2,000円水準が見込まれており、第1次値上げ分では採算改善が実現できないとしている。とくにここへきて業界の再編が一段と進むなど、事業の存続をかけて最低限の価格を目指し今回の値上げを早急に実現したいとの強い意向が広がっているもの。
 一方のユーザー側は、製品への価格転嫁が困難な分野もあるとしており、依然として強い抵抗を示しているものの、PVCのみならず、あらゆる化学品の値上げが進められていることもあり、一部メーカーでは値上げやむなしとの声も出始めている。