2000年04月20日
旭硝子、連結および通期業績予想を修正
経常利益は連結・単独とも回復基調
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子は20日、2000年3月期の連結および通期業績予想の修正を発表した。
 連結業績のうち、売上高は主に円高にともなう海外子会社の売上高が円ベースで目減りしたことが修正の理由で、前回予想に比べ400億円のマイナスとなる。また営業利益は建築用板ガラス事業を中心とした単独の固定費削減が進展したこと、またブラウン管用ガラスバルブおよびTFT液晶用ガラス基板の売上高好調により前回予想比100億円のプラス。さらに東南アジアの為替が安定的に推移したことから為替差損が減少したため、経常利益も110億円増加する。このほか退職給与引当金については、従来一部の連結子会社では自己都合退職による期末要支給額の100%を計上していなかったが、これを全額計上する方法に変更、不足する退職給与引当金40億円を特別損失として一括計上するため、当期利益は前回予想に比べ40億円の増加にとどまり、120億円となる見込み。
 一方、単独業績について、売上高は主にTFT液晶用ガラス基板の大幅な増加により100億円の増収、また建築用板ガラスを中心とした構造改善施策による固定費削減や、ブラウン管用ガラスバルブおよびTFT液晶用ガラス基板の売り上げが好調だったことから、営業利益は140億円、経常利益190億円とともに前回予想比60億円増加する。さらに当期利益は、経常利益が増加するものの,構造改善施策の実施および新会計基準の適用にともなって特別損益が180億円の損失となるため、前回予想比70億円マイナスの30億円を見込んでいる。
 なお連結における退職金給付会計導入への対応について、2000年3月末の積立不足額については、現在計算中だが、1999年3月末時点では単独が910億円、単独以外の連結会社で140億円の合計1,050億円の不足と試算されている。積立不足の処理については、単独は退職給付信託を活用する予定で、その他の連結子会社については各社の積立不足のうち、期末自己都合要支給額の1000%に対し不足する退職給与引当金約40億円を2000年3月期に引き当て、残りの100億円についても早期に償却していく予定。このほか期末配当については、連結・単独とも経常利益が順調に回復していることから、1株当たり4円50銭を継続する考え。
 業績予想の修正値は下記の通り。

[2000年(平成12年)3月期連結業績修正]
修正値(前回予想)増減額の順(単位:百万円、%)
◇売上高 1,260,000(1,300,000)△40,000
◇経常利益 40,000(29,000)11,000
◇当期純利益 12,000(8,000)4,000

[2000年(平成12年)3月期単独業績修正]
修正値(前回予想)増減額の順(単位:百万円)
◇売上高 690,000(680,000)10,000
◇経常利益 19,000(13,000)6,000
◇当期純利益 3,000(10,000)△7,000