2000年04月19日
アジアのポリオレフィン相場が軟化
韓国勢の対中国向け価格引き下げが響く
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:伊藤忠商事、三井物産

 伊藤忠商事や三井物産など大手商社によると、ポリオレフィンのアジア地域の相場が軒並み軟化している。
 中国渡しの現在のCIFあるいはC&Fの平均価格は、LDPEの農ポリ用品種がトン当たり740ドル、L-LDPEの同じく農ポリ用グレードが同680ドル、HDPEのレジ袋用品種が同700ドル、PPのホモポリマーが同590~620ドルとなっている。 これらを一ヶ月前に比べると、LDPEとL-LDPEはともに同40~50ドル下がっている。HDPEは同30~50ドル安い。ただしPPはほとんど同じレベルにある。
 大手商社筋によると、これらのうちのポリエチレンの値下がりは、韓国のポリエチレン各社が、買い控えを続けてきた中国のユーザー筋の値引き要求を受け入れたことによるものという。一方のPPがステイの状態にあるのは、ユーザーと供給者側がともに価格面で折り合わないため商談があまり成立していないせいと見られている。 今後の見通しについては、商社によって見解が異なる。日本や韓国で樹脂プラントの定修が相次ぐので強含みに転じるとの見方がある反面、ポリオレフィンの活発な新増設を睨んでアジア地域全体に先安感が強いのでさらに下降線をたどると見る向きも少なくない。