2000年04月19日 |
奇美実業、来月にも中国のABS樹脂25万トン設備が試運転入り |
台湾とあわせ年産145万トンに拡大/今後PS増設計画の具体化を検討 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
台湾の奇美実業は、中国の江蘇省鎮江で建設を進めていたABS樹脂年産25万トン設備が完成、早ければ5月にも試運転を開始する。1998年に稼動したPS(ポリスチレン)に続くフェーズ2の計画で、稼動により、同社のABS樹脂生産能力は台湾とあわせ年産145万トンに拡大する。 同社はかねてから鎮江で一大樹脂生産拠点を構築する計画に取り組んでおり、1998年上期には第1弾として年産15万トンのPS設備2系列を相次いで稼動させており、現在も比較的高稼動で推移している。来月にも試運転を開始するABS樹脂設備はこれに続くもので、中国国内市場の汎用グレードを中心に生産する。これにともない台湾に有している120万トン設備は、特殊グレードの生産比率をアップさせる考え。さらに同社は、鎮江における樹脂生産拠点構築計画の第3弾(フェーズ3)としてPSを増設する方針で、今後具体化に向けて検討を進めていく。 なお奇美実業の1999年(1~12月)業績は、原料SMの価格上昇にともない樹脂の価格転嫁が進んだこと、また設備稼働率も高率を維持したことなどから、売上高は約300億台湾ドル(約1,000億円)、税引き前利益は38億5,000万台湾ドル(約132億円)と好調だった。 |