2000年04月19日
帝人、生分解性発泡材開発、実用化試験へ
天然パルプ原料に梱包用緩衝材、食品容器など
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人

 帝人は天然パルプを原料にした、生分解性プラスチックの発泡材料の開発に成功、実用化試験に入った。土壌中では1年以内に完全分解し、ごみとして燃やした場合でも発熱量が少ないため焼却炉を傷めない新しい高分子材料として同社では期待している。。
 原料は天然パルプの化学構造を一部変えたセルロースジアセテートで、これを粒状、ひも状、シート状に成形加工し、熱を加えることによって自由に形状を変えることができる。最大倍率で発泡させると、衝撃吸収性や軽さは発泡スチロール並みとなり、土中に埋めると、1年以内に完全に分解、さらにデン粉を添加すると、50日間で約80%%と、分解速度を加速することができる。
 製造コストや原料である天然パルプの安定確保など課題はあるものの、同社では原料の精製工程を合理化するなどでコストダウンを図り実用化を急ぎたい考えだ。 用途には梱包用の緩衝材、食品容器などのほか保水性や透水性をもっているので、容器のまま土に埋められる育苗用ポットなど園芸用にも最適と同社ではいっている。