2002年02月14日
アセトンのアジア価格が急上昇
月末には340~350ドルとなる公算
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学

 アセトンのアジア地域の相場が急上昇してきた。昨年9月ごろには最大の消費国である中国の主要港渡し(CFR)の平均がトン当たり280ドルどころまで下がっていたが、11月には300ドルに、そして今年1月には320ドル前後まで回復、さらに最近の中国のオファー価格は340~350ドルまで改善されてきている。日本の大手アセトンメーカーが今月末から3月上旬までに中国に納入するアセトンの平均価格は、ほぼこのレベルに落ち着く公算が濃厚である。
 
 三井化学や三菱化学などでは、3月中旬以降もなお上昇が続くと判断している。3月下旬のCFRは360ドルを超え、さらに4月には400ドルの大台に乗るとの見方を強めている。
 このようにアジア地域、特に中国向けの取り引き価格が急速に改善されてきたのは、主要用途の溶剤の需要が再び拡大してきたことと、アジア地域全体のフェノールプラントの操業率の低下で並産品のアセトンの生産量が縮小傾向をたどり始めたことによるところが大きいと見られる。