2000年04月10日 |
呉羽化学、5月出荷分から塩ビ樹脂を20円値上げ |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:クレハ |
呉羽化学工業は10日、塩化ビニル樹脂について5月出荷分からキログラム当たり20円の値上げを実施することを決め、顧客との交渉を開始する、と発表した。原料高騰が続き、事業採算の改善が必要と判断したもので、昨年10月に続く値上げとなる。 塩化ビニル樹脂は原材料価格の高騰による採算悪化を改善するため、昨年10月にはキロ20円の値上げを実施した。しかし、その後も原材料価格の高騰が続いており、ナフサ価格は1990年の湾岸危機時点と同レベルに達しており、再度の値上げを実施せざるを得ないと判断した。 今後、国内景気は徐々に回復するとみられているものの、今年度の塩化ビニル樹脂の生産能力は30万トン弱の削減が見込まれるなど、需給バランスは非常にタイトになると予想されている。こうした中同社は、顧客への安定供給を図りさらに資源循環型社会の構築を目指して塩化ビニル樹脂の環境問題に積極的に取り組むためにも、事業採算の改善が急務であるとしている。 また、塩化ビニル樹脂の取引に係わる商慣行は国内の他樹脂に比べても旧態然としており、採算実態把握の障害となっているとして、あわせて価格の先決めへの移行も交渉する考え。 |