2000年04月06日 |
アクリル酸および同エステル値上げ、全社打ち出し出揃う |
プロピレン、アルコール価格上昇で採算悪化 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:東亞合成、日本触媒、三菱化学 |
アクリル酸および同エステルの第二次値上げ打ち出しが各社出揃い、早期決着に向け交渉が本格化している。出光石油化学が4月10日出荷分からアクリル酸をキロ10円、同エステルを20円の値上げを打ち出したことで、実施時期に前後があるものの、日本触媒、東亞合成、三菱化学の全社の打ち出しが出揃った。 アクリル酸およびエステルは、原油、ナフサの高騰により、原料であるプロピレン、アルコール価格の上昇から採算悪化が強まっている。 アクリル酸およびエステルの国内第一次値上げは、昨年9月にエステルが打ち出しの20円に対し約15円で決着、アクリル酸が打ち出しの10円に対し10円弱と圧縮されて年末までに浸透している。 しかし、前回の値上げ打ち出し時に比べ、ナフサをはじめとした原料価格が一段と上昇していることから、メーカー各社では第二次値上げに向け検討を本格化させていたもの。 とくに主原料であるプロピレン価格上昇に加え、ここへきてアルコール価格も上昇が続いており、メーカー各社では安定供給のためにも価格修正は避けられないとして今回の値上げ打ち出しとなったもの。 また、需給面でもアクリル酸はSAP(高吸水生樹脂)向けに依然高い引き合いが続いており、エステルも昨年末のY2Kの駆け込み需要の反動が解消、新年度に入って4月は堅調な引き合いとなっている。今後はユーザー側である、エマルジョン、塗料など製品価格転嫁が実現できるかどうかタイミングを見ながら今月末までには交渉が大詰めを迎えると見られている。 |