2000年04月06日
BASF、ECでリーダーシップ拡大~2年間で7,500万ユーロ投資
2002年までにはオンラインの原料調達を10億ユーロ規模に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:BASF

 独BASFはドイツ現地時間の3日記者会見し、化学産業が世界のe-コマース(電子商取引)のなかで3大産業の1つになると予想される中、同社がe-コマースにおいてリーダー的な地位を拡大するのに有利な立場であると説明した。
 同社のロジスティックス・情報サービス部門プレジデントのB.フリッキンガー氏は、「私たちのゴールは、e-コマースにより創出される様々な変化を利用し、化学産業におけるリーダーとしての地位を獲得することである。コンピューターでビジネスを行うe-コマースは、私たちのビジネスのやり方を変えており、この変化がサプライヤーと顧客との間で新たな関係を生み出している」と語った。
 BASFによると、業界の専門家の間では2002年までに化学産業の売上の約40%がオンラインで取引されると予測されており、同社のオンライン取引は、2001年末までに自社取引の約40%、2005年までにはこれが50%以上に拡大すると見ている。同社は、e-コマースにおいてリーダーシップの確保を目指す考えで、今後2年間で焼く7,500万ユーロを投入する計画。
 同社のe-コマース戦略は、3つのカテゴリーに分けられる。第1に、コンピューターによるマーケティング活動においては、システム・トゥ・システム ソリューションが今後も引き続き大部分を占めることになり、このソリューションはグローバル会社やビジネスパートナーのIT(情報テクノロジー)システムをダイレクトにリンクさせるためのもの。第2が電子取引市場。BASFの重要プロジェクトには、化学品のバーチャル取引市場を運営する米ケムコネクト社の株式取得や、ネットディールのために独SAP社との合弁会社設立などがあるが、さらに同社は原料調達で独自の市場を構築していく。第3は、独自のエクストラネットや類似のポータルサイトを通じたオンラインによる製品、サービスの販売を行う、専用の化学会社ネットワークを構成すること。
 フリッキンガー氏は、「e-コマース戦略におけるこれら3つのカテゴリーは、従来の市場構造やカスタマー・サービス、取引先パートナーとのビジネスプロセスにおいて、それぞれ異なった影響を持ち、大きな反響を呼ぶ事になるだろう。私たちはまた、e-コマースにおいては、いつでも業務プロセスを向上させ、利益を伴う成長を可能にするような戦略的パートナーシップを組むことに対応する」と説明している。
 BASFは今年2月に、一回のオンライン取引としては世界最大の原料買い付けを実施した。2002年までには電子商取引で約10億ユーロ(約10億ドル/約20億マルク)の原料を調達することを計画している。e-コマースを単なる「セールス・テクノロジー」ではなく、これ以上の技術と考えており、e-コマースが実現すると予想されるあらゆる可能性を開拓、さらなる顧客へのサービス改善を行うことを目指す。