2000年04月06日
ポリオレフィン各社、輸出価格をさらに引き上げ
アジアの需給逼迫を背景にLDは830ドルへ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:日本ポリケム

 日本ポリケムなどポリオレフィンメーカー各社は、同樹脂のアジア地域への輸出価格を4月も引き続き底上げすることにして各国の需要家筋に通告を始めた。
 これは、原料ナフサの高騰分を各樹脂価格に転嫁することを目的としたもので、LDPE、L-LDPE、HDPEのポリエチレン三品種についてはトン当たり30ドルの引き上げを目標とするところが多い。PPの場合は目標とする上げ幅が品種によってかなり異なる。フラットヤーン用、射出成形用、OP用など低水準にあるホモポリマーに関しては、50ドルから60ドルの大幅値上げを目指すところが大半だ。しかしこれまでかなりの底上げが進んできたと言えるブロックコポリマーについては20ドル程度の値上げを目標とするメーカーが過半を占めている。
 同地域では、ここにきてオレフィンのスポット相場が軟化に転じており、今週始めのエチレンのスポット価格の平均はCIFトン当たり690~700ドルとなっている。それでも年初に比べればなお200ドル前後も高いレベルにあるわけで、ポリオレフィンなど多くの誘導品の相場とのスプレッドは依然過小と言える状態にある。 このためポリオレフィン各社とも、もう一段の値上げが市場で受け入れられる素地は十分あると見ている。4月初旬から5月末までの間は、日本や韓国で石油化学工場の定修・運休が相次ぐ見通しにある点がサプライヤーサイドにとって強力なフォローウインドウとなるとの判断もある。
 多くのポリオレフィンメーカーが目指している4月のCIFあるいはC&F価格の平均は、LDPEが830ドル、L-LDPEが780ドル、HDPEのフィルム用が800ドル、PPのホモポリマーが720ドル、ブロックコポリマーが770ドルとなっている。