2000年04月04日 |
三菱化学、単独および連結業績予想を修正 |
単独で特別損失910億円を計上 |
【カテゴリー】:人事/決算 【関連企業・団体】:三菱化学 |
三菱化学は4日、2000年3月期の連結および単独業績予想の修正を発表した。売上高および営業利益が増加する一方で、特別損失の計上などにより当期純利益は連結、単独とも赤字となる。 単独業績の修正について、売上高の増加は主に石油化学分野で原料価格アップに見合う価格是正が進んだことによるもの。また営業利益は石油化学部門の収益改善や光通信用半導体レーザーの増産などにより、前回予想値に比べ10億円増加するが、営業外費用の増加により、経常利益は横ばいとなる。さらに特別損益として910億円の損失計上を予定しているため、当期純利益は470億円のマイナスとなる見通し。ただしこれらの特別損失の大半が来期(2001年3月期)以降の収益向上に寄与する性質のものであることから、配当は2円を継続する方針。 なお特別損失910億円の内訳は、(1)適格年金の過去勤務費用残高の一括計上が320億円、(2)早期定年退職にともなう一時金が200億円、(3)投資有価証券評価損などが220億円、(4)その他170億円。(1)については、2001年3月期以降の新退職給付基準との関係で見ると、別途予定している有価証券の信託を控除した後の積立不足(変更時差異)640億円のうち、出向者を除く従業員の積み立て不足に相当、社内従業員については積立不足がなくなる。出向従業員見合いの320億円はなお積立不足として残るものの、出向者に関する退職給付費用は原則的に出向先で負担するため,新基準導入による2001年3月期以降の単独業績への影響はほぼなくなる見通し。(2)は、管理職の退職が前回予想(120億円、管理職退職500名想定)に比べ約830名となったことで金額が増加したことによる。(3)では時価が低下している有価証券(江本工業、日本アサハンなど)や子会社貸付金(北九州プリンスホテル)の評価減などを理由としており、2001年3月期以降導入される金融商品会計の新基準を指針としたもの。これら評価減のうち150億円は、すでに過年度の業績として取り込み済みのため,連結上は消去することになる。(4)の内訳は、水島事業所のハードディスク製造設備を停止し、シンガポールに生産を集中するリストラを進めており、水島事業所の固定資産の臨時償却の実施やその他で70億円、関係会社の整理や固定資産の整理で90億円、有価証券の低価法評価損で34億円で、これに対し特別利益として有価証券売却益などで28億円を計上する。 一方連結について、売上高の増加は連結範囲を拡大したことによるもの。また営業利益および経常利益はそれぞれ前回予想値を上回るが、これは石油化学の分野で原料価格上昇の影響が一部在庫品で薄められていることおよび昨日材料や情報電子などの機能商品分野におけるコスト削減と増販による増益が主な要因。ただし特別損益において830億円の損失計上を予定しているため,当期純利益は260億円のマイナスとなる。特別損失の主要なものは、単独決算で計上する損失で,その他に子会社における早期定年退職一時金の計上や固定資産整理損などがある。 連結および単独業績予想の修正値および連結のセグメント別営業利益の修正値は下記のとおり。 [2000年(平成12年)3月期連結業績予想修正] (単位:百万円) ◇売上高 1,659,000(1,600,000) ◇経常利益 35,000(30,000) ◇当期純利益 △26,000(6,000) ※カッコ内の数字は前回(1999年10月29日)修正発表 [2000年(平成12年)3月期単独業績予想修正] (単位:百万円) ◇売上高 830,000(815,000) ◇経常利益 8,000(8,000) ◇当期純利益 △47,000(△4,000) ※カッコ内の数字は前回(1999年11月24日)中間決算短信発表 <セグメント別連結営業利益予想の修正> (単位:億円) 石油化学 270( 230) 炭素アグリ 100( 100) 機能商品 370( 330) 情報電子 60( 50) 医薬品 40( 30) 機能化学品 90( 90) 機能材料 110( 100) サービス 70( 60) コーポレート△100(△100) 合計 640( 560) ※カッコ内の数字は前回予想、情報電子~サービスは機能商品の内数 |