2002年02月13日
ブリヂストン、高機能薄膜フィルム市場を積極拡大
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ブリヂストン

 ブリヂストンは新規事業のひとつとして高機能薄膜フィルム分野の積極開拓にのりだした。同社は静岡県磐田市に昨年来、磐田製造所を完成したが同製造所は東京工場の塗工フィルム生産を月産20万平方メートルから100万平方メートルに増設する形で移設したもの。資金約10億円を投じてクリーンルーム(1,500平方メートル)や精密多層塗工機を設置した。
 
 PET(ポリエチレンテレフタレート)などの0.1~0.2ミリ厚のフィルム上に数マイクロ(1マイクロは百万分の1)メートルの高機能な薄膜を多層塗工するのがねらいで、導電性、色調整、粘着、反射防止、硬度などの機能を加えている。
 
 これによって5年後の2006年には5倍の百億円の売り上げを見込んでいる。同フィルムはPDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)、カーナビなどのディスプレーの材料として装着される。
 
 ブリヂストンはタイヤ事業の経験のなかからこうしたフィルム多層塗工の技術を開発したわけだが、今後は非タイヤ事業の有力製品に育てる方針。
 高機能薄膜を手がける電材事業部はほかにEVA(エチレン・ビニール・アセテート)を生産、自動車ガラスの補強材分野の市場に進出、とくに欧州への輸出に力を入れている。