2000年03月30日 |
チッソ、微生物検出用シート状培地を開発・上市 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:チッソ |
チッソは30日、食品や環境中の微生物を検出するためのシート状培地「サニ太くん」を開発、4月1日から販売を開始する、と発表した。 「サニ太くん」は、培地成分を含む水溶性高分子フィルムと不織布を積層したものを粘着シート上に接着、透明なフィルムをかぶせた微生物検査資材で、検査する目的の微生物の種類に応じて培地成分の組成を工夫してあり、現在一般生菌用、大腸菌用、真菌用の3種類をラインアップしている。従来の寒天培地などと比べ極めて簡単に多様な微生物検査を行うことができ、特に食品業界でHACCP(危害分析重要管理点方式)の導入を検討している企業にとって有効であると見ている。 「サニ太くん」の特長は、培地調整の手間が不要、長期保存可能、場所を取らない、操作が簡単、廃棄量が少ない、持ち運びが容易など。産廃および医療廃棄物の処理が社会問題となっている現在、特に廃棄量が少ないことが注目されている。主な用途としては、(1)食品加工工場やスーパーのバックヤードの工程の衛生管理(特にHACCPでのCCP(重要管理点)の摘出と定期検査)、(2)調理器具や食品加工機械の消毒確認、(3)食品保存料の適正資料用の確認、(4)従業員の手洗い励行などの衛生教育の教材、(5)ハウスダストなど家庭環境の衛星検査、(6)医療機関などの環境検査などがある。 なおチッソは10年前から食品・環境中に残留する化学物質や食中毒菌を検出するキットの輸入販売を手がけており、ユーザーの高い評価を受けている。将来的には寒天培地などの既存品市場のかなりの部分が「サニ太くん」に置き換わると見ており、3~4年後には年間数億円の売り上げを見込んでいるほか、海外市場への積極展開も検討している。 |