2000年03月30日
中国PVC国内価格軟化、アジア市況に影響広がる
4月の中国向け価格は800ドル強に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 好調な引き合いが続いていた中国のPVC(塩ビ樹脂)市場だが、ここへきて中国国内価格の軟化が進んできており、アジア市況への影響が出始めている。
 商社筋によると、中国国内価格は需要拡大から上昇が続き、今月初めにはキロ8.4元(約107円)で取引されていた。しかしここへきて、一部8.0元を割り込む水準となってきており、輸入価格についても引き下げ要求が強まってきている。
 日本のPVC大手サプライヤーでは、4月の輸出価格を50~60ドルアップのCIF中国・トン850~860ドルを打ち出していたものの、こうした状況から830ドル前後での最終交渉を行っているとされている。
 また、韓国など一部メーカーでは東南アジアをはじめとした中国以外の市場にシフトする動きが出始めており、市場動向にも変化が見られ始めたとしている。
 しかし、原料高騰が続く中、5月以降には日本での大型定修が相次ぐこともあり、需給タイト感は依然として変わらないとして、急速な市況軟化は考えにくいとの見方が支配的になっている。