2000年03月27日
三井化学、4月積みフェノール、アセトン輸出価格を引き上げ
フェノール700ドル、アセトン650ドルへ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、4月積み分のフェノール輸出価格をCIFトン650~700ドル、アセトンを650ドルへ引き上げる方針を決め、需要家との交渉を開始した。
 フェノール、アセトンともにナフサをはじめとした原料価格高騰により採算が悪化、欧州での相次ぐ設備トラブルなどにより需給タイト化が強まっていることから一段の価格引き上げを目指すもの。
 フェノールは、欧州ではローヌプーラン、エニケムが設備休止するなか、ボレアリスが労働争議により設備を停止、フォースマジュールを宣言している。さらに米国ではシェルも新設備立ち上げの不調からフォースマジュールを宣言、セールスアロケーションを実施するなど、全世界的に需給逼迫が強まっている。
 一方、アジアでもフェノールはPC(ポリカーボネート)用途の拡大からビスフェノールA向けに引き続き好調に推移、アセトンもMMA(メチルメタクリレート)モノマー、溶剤向けに引き合いが活発な中、欧米からの流入玉の減少によりタイト化に拍車がかかっている。
 フェノールのアジア市況は、昨年1QにはCIFシンガポールベースで450ドル前後まで軟化していたが夏先から上昇に転じ、10月には500ドル、11月600ドルを超え、現在は600~650ドル前後で推移している。
 一方のアセトンも昨年1Qから2Qには250~300ドルだったが、3Qは450~500ドル、4Q500~550ドル、今年1Qは550~600ドルと需給バランスを背景に一本調子での上昇となっている。
 しかし、原油、ナフサをはじめとした原料価格の急激な上昇、高値での推移から、同社では採算的には厳しい状況だとして一段の価格引き上げを進めていくことになるとしている。
 なお、同社は国内価格の引き上げ交渉も進めているが、アセトンについてはキロ10円でほぼ8~9割が決着に向かっており、フェノールもキロ16円で交渉を本格化、早期決着を目指している。