2000年03月27日 |
日化協、ナフサ接触分解法の経済性を評価 |
原料削減やCO2削減に大きな効果ありと判断 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:日本化学工業協会 |
日本化学工業協会は24日、東京・千代田区の如水会館で「第6回次世代化学プロセス技術開発シンポジウム」を開き、同技術開発テーマの一つとして共同研究を進めてきた「ナフサ接触分解技術の開発」に関する研究結果を発表した。 この研究テーマは、新たに触媒を用いてナフサを接触的に分解して、エチレンやプロピレン等のオレフィンを効率的に製造できるようにするプロセスの開発を目的としたもの。現在は各国ともナフサ分解は専ら熱分解法に頼っているが、日化協では発想を思い切って転換して触媒による分解法についても工業化を追求していくことにしたわけ。平成7年10月から共同研究を推進してきた結果、当初の目標をクリアできたため今年度末をもって研究を終了する。 この日のシンポジウムでは専門家8人が研究結果を発表した。この中では、出光石油化学生産技術センターの塩島壮夫主任技師による同技術の経済性評価に関する報告が特に多くの参加者の関心を集めた。 同技師によると、熱分解法による年間約740万トンのエチレン生産量のうち100万トン(13%)を接触分解法に切り替えれば、原料ライトナフサの消費量を年46万トン(17.9%)抑えることが可能という。また、プロピレンを年間7万9,000トン増産することもでき、さらには、CO2を4万9,000トン削減もできるという。しかも、固定床であれば既存の反応部門の更新で十分対応していける可能性が大きいとも述べ、したがって、コスト競争力の強化と環境保全の二つの狙いを同時に果たせると見てよいと結論している。ただし、最適工業触媒の開発とスケールアップ手法の確立が残る大きな課題だとも述べている。同技師がまとめた同技術開発の目標値と実績ならびに達成度は別表の通り。 http://www.c-nt.co.jp/news/naphtha.html">ナフサ接触分解技術の開発目標値と実績・達成度(表) |