2000年03月22日 |
旭硝子、全ふっ素樹脂光ファイバーを開発 |
石英光ファイバーを超える10ギガ高速通信に対応 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:旭硝子 |
旭硝子は22日、慶応義塾大学の小池博教授と全く新しい概念の全ふっ素光学材料を用いた、全ふっ素樹脂光ファイバーの開発に成功した、と発表した。10ギガ高速通信が可能で、次世代のLAN規格である10ギガイーサネットに対応することができる。また同社は、の光ファイバーの開発にめどをつけたことから、商品名を冠した「ルキナ事業推進部」を4月1日付で新設、6月から本格販売を開始、光ファイバー事業へ本格参入する。 この全ふっ素樹脂光ファイバーは、特にデジタル動画などを含む大容量情報伝送が必要とされるLAN配線、ホームネットワークなどのアプリケーションへの適用が期待されている。デジタル動画伝送には、家庭内、ビル内フロアで数百メガビット/秒から1ギガビット/秒の伝送速度、ビル内幹線で10ギガビット/秒程度の伝送速度が必要とされ、簡易接続可能な銅線ファイバーでの対応は伝送速度不足のため事実上困難であり、接続の簡単なギガ高速通信用光ファイバーの開発が望まれていた。今回開発した全フッ素樹脂光ファイバーは、簡易接続性とギガ高速性の双方を備える、現状唯一の製品であるという。 主な特徴は、(1)マルチモード石英光ファイバーの性能を超え、次世代のLAN規格である10ギガイーサネットに対応できる高速性、(2)現在のLAN規格である1ギガイーサネットおよび100メガイーサネットの市販LAN機器にそのまま使用可能なため、今すぐにでも次世代の10ギガイーサネットを見越したLAN配線の構築が可能、(3)柔軟性・簡易接続性を有し、接続作業に要する時間は石英光ファイバーの10分の1で、全配線コスト中で最も大きなウエイトを占める接続コストを大幅に削減できる、などとなっている。 LAN配線分野における光ファイバーの市場規模は急成長しており、2002年には全世界で1,000億円に達すると予測されているが、さらに現在脚光を浴びている高速ホームネットワーク向け需要を加えるとさらに大幅な拡大が予想される。 |