2000年03月21日
呉羽化学、11月に錦のPPSベースレジンを900トン増強
米国では近く1,400トン増強を完了/2拠点1万2,200トン体制に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:クレハ、ポリプラスチックス

 呉羽化学工業は、今年11月をめどに錦工場においてPPS(ポリフェニレンサルファイド)ベースレジンを900トン増強する。昨年延期していた計画を実施するもので、完成により生産能力を年産5,400トンに引き上げる。また、米国の合弁会社フォートロン・インダストリーズは、4~5月中にも1,400トンの増強を完了、生産能力6,800トン規模に拡大する。この結果、を年産1,200万ポンド(約5,400トン)から1,500万ポンド(約6,800トン)に拡大、2拠点合計で1万2,200トン体制を構築する。
 昨年のPPS国内需要(コンパウンドベース)は、1万4,000トン弱と見られ、不況の影響を受けほぼ横ばいで推移した1998年に比べ10数%増加した。昨年前半は不調であったため、当初予定していた増強計画の1年延期を決定したが、下期以降は電気・電子分野を中心に回復が進み、今年も2桁の成長が期待されている。さらに呉羽化学はベースレジンを生産、提携関係にあるポリプラスチックスがコンパウンドを生産・販売しているが、需要の回復に加え昨年11月にはマレーシアでポリプラスチックスのエンプラコンパウンド設備が稼動、着実に需要が増加していることから増強を実施するもの。今回の増強によりベースレジン生産能力は900トン増え、5,400トンとなる。
 一方、ポリプラスチックスの親会社でもあるティコナとの合弁会社であるフォートロン・インダストリーズもアメリカ経済の好況を反映して、販売が好調なことから、4~5月中にも増強を実施、生産能力を1,200万ポンド(約5,400トン)から1,500万ポンド(約6,800トン)に引き上げる。 現在PPSで世界1位のメーカーは米フィリップス(年産9,800トン)であるが、呉羽化学は今回の増強により日米2拠点の合計で1万2,200トン体制となり、世界最大のPPSメーカーとなる。