2000年03月17日
アジア・中東に計16基のポリオレフィン設備が年内完成へ
最大はヤンペットの53万5,000トンの増強
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン大手ならびに主要商社筋の調べによると、今月末以降年末までに、アジアと中東でポリオレフィンの新増設工事が相次いで完工する。
 インドのハルディアが今月末に大型新プラントを3基完成するのを皮切りに、年末までに台湾、シンガポール、サウジアラビア、フィリピン、マレーシアの各国に合計16基のポリオレフィン設備が建設され稼動に入る。アジア・中東地域のポリオレフィンの需給バランスは今のところ均衡しており、市況も堅調と言える。しかし、これらの新増設工事が予定とおりのスケジュールで完工すると、来年からは一転して多くの国が需給のギャップに苦しむことになりそうだ。
 現在建設工事が進められているポリオレフィンプラントのうち、ポリエチレン装置は11基を数える。総設備能力は年産(以下同)298万5,000トンとなる。一基平均27万トン強という大型装置が建設される点がこれまでと異なるところだ。
 最大規模はサウジアラビア・ヤンペットのL-LDPEプラントの53万5,000トン能力。最も小さいのはマレーシア・タイタンのL-LDPE/HDPE10万トン設備である。
 一方のポリプロピレン設備は5期合計142万トンとなる見通しだ。最大はサウジアラビア・IBN ZAHR PPの36万トンプラント。最小でもインド・ハルディアの20万トンという規模である。詳細は以下の通り。
 [ポリエチレン]
▽インド・ハルディア=HDPE20万トン。完成は3月末。
▽同=L-LDPE22万5,000トン。同。
▽フィリピン・バターンポリエチレン=L-LDPE/HDPE25万トン。5月試運転入り、7月本稼動。
▽サウジアラビア・ヤンペット=L-LDPE/HDPE53万5,000トン。第2・四半期。
▽同・シャルク=L-LDPE30万トン。第3・四半期。
▽台湾・FPC=L-LDPE24万トン。同。
▽同=LDPE20万トン。同。
▽シンガポール・エクソン/モービル=L-LDPE48万トン。第4・四半期。
▽サウジアラビア・ケムヤ=L-LDPE22万トン。同。
▽同=LDPE24万トン。同。
▽マレーシア・タイタン=L-LDPE/HDPE10万トン。同。

 [ポリプロピレン]
▽インド・ハルディア=20万トン。3月。
▽サウジアラビア・ヤンペット=26万トン。第2・四半期。
▽台湾・FCFC=30万トン。第2・四半期。
▽シンガポール・エクソン/モービル=30万トン。第4・四半期。
▽サウジアラビア・IBN ZAHR PP=36万トン。第4・四半期。