2000年03月17日
旭化成、アジピン酸輸出価格を100~150ドル引き上げ
2Qに定修相次ぎ需給はさらにタイト化
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成工業は16日、アジピン酸のアジア太平洋地域向け輸出価格についてトン当たり100~150ドル引き上げる、と発表した。原料価格の高騰により採算が大幅に悪化しているためで、4月1日船積み分から実施する。
 同社は、輸出価格引き上げの背景として、最近の原油・ナフサ価格の高騰にともなう主原料ベンゼンの価格の大幅な上昇により採算が大幅に悪化していることを挙げており、コストアップ吸収のための努力を続けてきたものの、吸収しきれていないことから価格引き上げが必要と判断したもの。すでに今月中旬からアナウンスを開始しており、アジア太平洋地域向けの輸出について、4月1日船積み分からトン当たり100~150ドル引き上げ、大手顧客向けCIFメインポート1,300ドル以上を目指す。
 アジピン酸の主力用途であるナイロン需要は、樹脂用途向けを中心に世界的にも堅調に推移しており、同社のナイロン66原料の重合設備も振る生産となっている。また非ナイロン用途では、ポリウレタン向け(靴、合成皮革用途)が好調で、中国や韓国などのユーザーの間でタイト感が強まっている。さらに旭化成をはじめ、大手メーカーが今月以降第2四半期中に相次いで定修を実施することから、供給量も大幅に減少する見通しとなっている。
 なお今年第1四半期中に100ドルの輸出価格引き上げを実施しているが、部分的な値上げにとどまったことから、今回の値上げでは未達分の回復も図る方針。