2000年03月16日
石化品の生産能力、エチレンは微増の748万トン
通産省調査、誘導品ではPSの縮小が目を引く
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業、東ソー、東洋スチレン、日本ポリプロ、三井化学、三菱化学

 通産省基礎産業局は16日、エチレンと主要誘導品11品目の平成11年12月末時点における生産能力の調査結果を明らかにした。対象誘導品は、低密度ポリエチレン(L-LDPEを含む)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンオキサイド、スチレンモノマー、ポリスチレン、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、アセトアルデヒド、アクリロニトリル、合成ゴム(SBR、BR、IR)の各製品。
 全体では、エチレンが前年同時期をわずかに上回っている反面、誘導品11品目中の6品目が逆に縮小している点が注目される。誘導品の中では、ポリスチレンの14.5%減が特に目を引く。
 エチレンの生産能力(定修実施年ベース)は、年産(以下同)18万3,000トン増えて748万トンとなっている。これは、浮島石油化学が1万トン、大阪石油化学が8万3,000トン、京葉エチレンが9万トンそれぞれ手直し増強したことによるもの。全体の増加率は2.5%と小さい。
 一方の誘導品の中で設備規模が縮小したのは、PS、SM、PP、VCM、PVC、合成ゴム(SBR)の各品目。ただし、PVCは0.1%減、SBRは0.2%減にすぎないので前年の横並びと言ってよい。それに対してPSの縮小率が14.5%と比較的高かったのは、PS事業の集約化の進展に伴って設備の統廃合が実現したため。エー・アンド・エムスチレングループは、14万3,000トン、東洋スチレングループは9万9,000トンそれぞれ縮小している。増えたのは大日本インキ化学工業の3万6,000トンだけ。差し引き20万8,000トンの減少となっている。
 SMは4.7%(14万5,000トン)減っている。三菱化学の総設備規模が四日市の設備停止に伴って15万4,000トン縮小したのが効いている。VCMは2%(6万8,000トン)の微減である。東ソーが25万トンの拡大を図った反面、千葉塩ビモノマーが21万トン設備を、三井化学が10万9,000トンプラントをそれぞれ停止したことによる。
 PPも1.8%(5万4,000トン)減にすぎない。日本ポリプロの6万4,000トン設備の操業停止が目立つていどだ。


http://www.c-nt.co.jp/data/capa/miti/index_j.html">通産省主要石油化学製品生産能力調査