2002年02月08日 |
中国政府、日本など4カ国の高級紙メーカーに「アンチダンピング調査」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省、財務省 |
製紙業界によると、中国政府(対外貿易経済合作部)はこのほど、日本、韓国、米国、フィンランドの4カ国を対象に、「銅版紙」の輸出にダンピングの疑いがあるとして、調査の実施を公告した 「銅板紙」というのは,中国では、広告などに使用する「多色刷り」用の印刷用紙のことらしい。中国の資料や文献には「化学パルプ含有量によって品質が等級分けされている」という。しかし日本には同じ言葉はなく、定義や規格も同一ではない。ただ今回中国側が指摘している「HSコード」(48101100番と48101200番)からみると、日本では通常「アート紙」「上質コート紙」と呼んでいる上質塗工紙をさしているらしい。 中国の貿易統計によると、2001年に同じHSコードで輸入された「銅板紙」の輸入量は、韓国39万7,585トン、米国12万8,441トン、日本8万5,571トン、フィンランド4万6,387トンで、対象4カ国のうち日本は3番目となっている。 一方、財務省が発表している輸出通関統計では、同じコード番号でも日本から中国への輸出量は2001年4万9,702トンとなっており、中国の統計よりかなり少ない。これは輸出の場合、仕向地別に統計をとるのに対し、輸入は経由地ベースでとっているためとみられる。 業界筋によると、わが国のアート紙、コート紙メーカーは、現在大手、中堅合わせて約10社あり、うち中国向け輸出を行っているのは8社程度という。いずれも「まだ状況がわからないので、今後の対応はよく検討したうえで決めたい」といっている。 なお、経済産業省はこの問題について「中国は昨年末WTOに正式加盟している。今後の調査についてもWTOルールに沿って、適正に行われると思う」と語っている。 |