2000年03月15日
三井化学、4月のアジア向けPTA価格600ドルを打ち出しへ
1Q比70ドルアップ、原料、諸経費上昇を受け
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、PTA(高純度テレフタル酸)の4月アジア向け輸出価格を1Q比70ドルアップのCFR・トン600ドルとする方針を決めた。今週にも需要家へのアナウンスを開始する。
 PTAの輸出価格は、原料PX(パラキシレン)の値上げ打ち出しを受け、1Qは4Q比30ドルアップの560ドルで交渉が続いていたが、PX価格がステイで決着したため、PTA価格もステイで決着している。
 しかし、PXメーカー各社では引き続き2Q価格についても70ドルの値上げを打ち出しており、同社でも原料価格、諸経費を含めると70ドルの価格引き上げは避けられないとして価格引き上げを行う方針を固めたもの。
 PTA原料では、PX以外にも酢酸が50ドルアップの430ドルが打ち出されているが、さらに原油の高止まりを受け、物流費など諸経費もコストアップが続いていることから一段と採算悪化が深刻化している。同社でも昨年来、PTA価格上昇はPXの価格転嫁分に止まっていることから、一段の引き上げを行いたいとしているものの、需要家の価格転嫁の状況を慎重に見極めたいとして、今回の引き上げ幅となったもの。
 また、昨年来PX価格が期中に変更される事例があったため、今回の価格は4月分のものになるとしている。