2000年03月15日
三菱化学、鹿島事業所のキュメン増強を本格検討へ
年産数万トン、早ければ来年春の定修時に
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は、フェノール事業の競争力強化を図るため、鹿島事業所のキュメン増強の本格検討を開始した。早ければ来年5~6月の定修時に年産数万トン規模でデボトルネックを実施、キュメンの自製化体制の確立を図る。増強については、ゼオライト触媒への転換も含めて検討している。
 現在、同社は鹿島事業所にキュメン年産17万5,000トン設備を持つが、フェノール設備は18万トンのため、年間数万トンのキュメンを外部購入している。
 しかし、キュメン価格は原料高騰などを受け上昇が続いており、指標とされる3月の米国のコントラクト価格はポンド26セント(トン約580ドル)と、この1年で10セント以上の急激な上昇となっている。こうした状況から同社では、原料キュメンの自製化体制を確立、市況に影響されない体制を構築することで、フェノール事業の競争力強化を図る方針。
 同社のフェノール事業では、一昨年に鹿島事業所でビスフェノールA8万トン設備を稼動させているが、今年5月の定修時にはさらに2万トン増強、10万トン体制の構築を進めている。さらにキュメンの増強による自製化を確立することで、鹿島事業所におけるキュメンからフェノール、アセトン、ビスフェノールAおよび誘導品に至るまでのインテグレーションが完成することになる。