2000年03月13日
米yet2.com、日欧で新たにパートナー19社参加
計36社~日本からは10社/世界的に技術市場を拡大
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:BASF、旭硝子、花王、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、デュポン、東芝、東レ、トヨタ自動車、富士写真フィルム、三井化学、三菱化学

 インターネットを使った技術交換のためのグローバル・フォーラムをはじめて開設する米yet2.com(イエットツーコム)社は13日、都内で記者会見を行い、同フォーラムの特許技術や知的財産のためのオンライン取引サイトが、新たに世界の超優良企業19社の参加を受け、アジアまで広がった、と発表した。この結果、同フォーラムへの参加企業は36社となり、これらの企業の研究開発費は世界全体の約1割を占めることになる。
 今回、新たにyet2.comのオンライン市場に参加した企業は、旭硝子、花王、住友電気工業、デンソー、東レ、東芝、トヨタ自動車、富士写真フィルム、三菱化学、三井化学(以上日本)、BT(ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ、イギリス)、フィリップス・エレクトロニクス(オランダ)、シェル・グローバル・ソリューションズ(イギリス)、シーメンス(ドイツ)、アグファ・ゲバルト(ドイツ)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(スイス)、BASF(ドイツ)、ポルシェ(ドイツ)、ロバート・ボッシュ(ドイツ)の19社。yet2.comのグローバル・フォーラムでは、すでに3M、ボーイング、ダウ、デュポン、フォード、ハネウェル、モンサント、ポラロイド、プロクター&ギャンブル、ロックウェル、SAIC、TRWが会員となっており、総勢36社に拡大した。
 yet2.comのシステムは3つのレベルに分かれ、レベル1では技術の概略を紹介(登録、アクセスは無料)、レベル2で詳細情報や技術供与の条件などを見ることができる。(アクセス費用は25ドルまたは法人会員制)ここまでは技術の所有者の名前は非公開となっており、具体的な交渉に入るレベル3では、紹介料として最低1,000ドルを徴収(価格は所有者が決定)、50%が売り手にわたる。協議がまとまり取引が成立した段階で、5万ドルを限度に取引額の10%がyet2.com社に収入として入ることになる。
 yet2.com社のベン・デュポン社長は、「知的所有権などのいわゆる無形資産は、有形資産並みかそれを上回る重要性を持ちつつあり、さらに競争の激化によって開発のスピードも早まっている。またインターネットは価値あるビジネスツールとして受け入れられている。現在ライセンス市場は、1,050億ドルと推定されているが、これまでは技術を所有する側と捜す側が直接取引きを行っていたこと、仲介業者の規模が非常に小さいこと、さらにデータベースが貧弱で使いにくいことなどから、極端に市場が分散、細分化しており、高コストのため活発化していなかった。今回創立スポンサーになっていただいた企業には、(1)価値ある技術をyet2.comに出してほしい、(2)興味を持った研究者は頻繁にアクセスしてほしい、(3)お互いに技術を出し合い、良い市場を作ってほしい、の3点をお願いした。2月7日の本格稼動以来、すでに10社を紹介しており、取引規模は平均10億ドルとして100億ドルに上る。年内には500社の参加を得て1万件の技術をデータベースに登録したい」と語った。
 また今回参加した花王の美濃順亮取締役は、「これまでは技術の評価や評価後普及するまでに時間がかかっていたが、ネット社会の進展により瞬時に技術が評価され、価値を幅広く共有することができるようになる。yet2.comは多様化した技術を時差なしに共有するプラットフォームである。これまでの同じ業界の中だけではなく、横断的な技術の交換や、全く異なる技術の組み合わせによる新たな価値の創造を期待している。実施されている特許は全体の約25~30%で、その倍の規模で防衛特許がある。同じく実施されている特許の倍の規模の実施されていない特許(休眠特許)があり、これが大きな損失となっている。時間の時差と専門の時差を無くして新しい価値を創造していくことになる」と述べている。

http://www.yet2.com/>yet2.com社ホームページアドレス